再発する膀胱炎 慢性細菌性膀胱炎 と獣医師会の話
「先生、膀胱炎を繰り返すんです」
そう言って、うちの病院を訪ねてくる飼い主さん。
「抗生物質の投与を行なって一時良くなるんですけど、またすぐに膀胱炎になっちゃうんです」
そんな子達が、このところ続いています。
実際には急に増えたわけでもなく、昔からコンスタントにやってくるそんな悩みを抱えた子達とその飼い主さん。
犬も猫も、再発する膀胱炎には必ず原因があります。
抗生物質の投与を繰り返すのは、対症療法であって原因治療ではありません。
膀胱内に貯まっている尿は、通常無菌です。
菌がいないという観点から考えれば、尿は綺麗な液体です。
まっすぐな川のように、スムースに流れていれば問題は起こりませんが。
淀んだり、氾濫(漏れたり)したり、堰き止められたりすると、
綺麗だったはずの尿に、細菌感染が起こります。
その原因は、様々。
電話がかかってきて、飼い主さんから話を聞くと。
「あ!あの病気かな?」なんて、何となく思い当たる病気が頭に浮かびます。
が、実際に診てみたら違ってるなんてこともあります。
先入観は危険ですね。
先月から、もう何頭?きてるか?
季節の変わり目?あんまり関係ない気がしますが・・・
再発するようなこういった症例は、飼い主さんが直接来院することがほとんどですが、
おつきあいのある開業医の先生方からも、診察依頼を受けることがあります。
そんな、親しい先生方と一括でお会いできたのが。
先日、病院を休診にして出席してきた、神奈川県獣医師会の定期総会。
前期から引き続き、今期も小動物学術委員長に任命。
いわゆる調整役ですので、それほど偉いわけでもないのですが。
委員長と名がつけば、身も引き締まります。
総会の後の懇親会では、昔から知っている県庁職員の先生などにもお会いできて。
動物行政について少しばかり意見交換。
懇親会は、二次会まで続き。
見渡せば、ほぼいつも会っているようなメンバー。
「これから獣医学生さんを中心とした若い先生方をどうやって獣医師会に振り向かせられるか?」
真面目な話半分、遊びの話半分。
年齢的にもだんだんと責任のあるポジションに、言い換えれば現場の実働部隊。
開業獣医師はなんだかんだ孤独になりがち。
獣医師会に所属していると、それはそれでめんどくさいことも時にはありますが、
気の合う仲間と、ともに会を作っていく。
なんてこともできるようになります。
このブログを読んでいる方は、ほとんどがうちの患者さんだと思いますが。
獣医師会に興味を持ってくれる若い先生方がいてくれると嬉しいです。