猫の尿道閉塞なんだけど・・・水腎症
ある晩に、飼い主さんからの電話。
「先生、頻繁にオシッコに行くんですけど出てないみたい」
この手の質問はよく受けます。
考えるべきは、膀胱炎による頻尿なのか?排尿困難なのか?
頻尿で貯まってないから出ないのか?やっぱり排尿困難なのか?
「お腹触っても、パンパンな感じは無いけど?どうしましょう?」
飼い主さんとは、一晩様子をみることで意見が一致。
「やっぱり出てないのであれば、午前中に連れてきてください」
と・・・
明けて、朝一に電話が入り・・・
明け方からトイレにこもりっきり(T . T)
来院して、お腹を触ると、膀胱は硬く・・・
閉塞しました。
しかも、結石1個。
レントゲンにもしっかりと写り。
もう少し力入れたら出そうな位置だけど、出ない…オス猫にはありがち
排尿困難の原因はハッキリしたところで、
カテーテルで結石を膀胱内に戻して、
血液検査で腎臓のダメージを把握。
今回のKちゃんの場合は中程度に障害。
尿道内にカテーテルを留置して、常にオシッコが出る状態をキープ
結石も落ちて来ないようにして。
静脈点滴の準備して…
腎臓の数値下がったら、手術で結石摘出。
って、治療計画をイメージしながら
「エコーで結石の大きさと、腎臓も見ようか」
って当てた左の腎臓が。
「えっ(・_・;」
水腎…後腹膜腔にも液体…
実は、今回のKちゃん2年前に尿管閉塞をやってます。
その時は腎瘻チューブのみの処置で治ったのですが。
入院中にケージ内で一回転
お世話の最中に、それは見事に一回転。
その結果、腎瘻チューブが抜ける事件が発生したんです。
そのイメージが頭をよぎります。が、
そんなこと言っても、やる時はやるしかありません。
膀胱切開と一緒に腎瘻か?
膀胱切開のみで終われるのか?
Kちゃんにも飼い主さんにも、そして私にも
治療の程度がだいぶ変わってきます。
幸い経過観察できる程度の腎障害でしたので
「とにかくこれは、点滴してどうなるか?明日まで経過観察しましょう!」
「治ることもあるしね」
って言葉の半分は経験、もう半分はお祈り。
そして、翌朝。
お祈りも通じたのか、見事に腎臓は元の姿に
まるっきり正常ではありませんが、許容範囲内。
これで、膀胱切開で結石を摘出して終われそうです。
そうは言っても手術ですから、ちゃんと準備してしっかりケアして。
この大きさの1個の結石摘出って意外とハマることもあるけど・・・
今回は、膀胱も小切開で済んですんなり結石も摘出。
手術時間も最低限で終わることができて、バッチリ。
術後は、スッキリしたのか?
以前のあの緊張ぶりが嘘のように、まるで違う猫なんじゃないかって思うくらい。
Kちゃんゴロゴロ全開!前手でモミモミまで始めて。
みんなで撫で回して可愛がり、無事退院。
毎回言ってますが、
いろんなことが起きます(^_^;)