うちの猫はやっぱりうち猫だった件 猫の尿管炎
病院で飼っている猫のリトル、今年8歳になりました。
近所のおじさんが、子猫だった時に「具合悪そう」って連れてきてそのまま病院で飼うことになった猫です。
オス猫なのに身体がちっちゃく、体重は3キロ、腰椎も寸足らずの6本。
小さいので、「チビ」でもよかったんですが、ちょっとカッコつけて「リトル」と命名。
そんなリトルさん、普段から特になんの問題もなく呑気に暮らしていたのですが。
ある日突然、「いつものドライフードはいらない」って言い出し・・・
それでも、鉄板のカツオのおやつトッピングの目新しいドライは食べたりして・・・
動きも、さほど悪くない・・・
さては、ついにわがままを言うようになったのか???
でも、なんだか気になる感じ。
水曜日の休診日も重なったので、2日間は様子見ていたのですが。
「まさか?やっぱりうちの猫?ってことかも」と思い検査をすることに。
すると・・・
「うちの猫は、やっぱりうちの猫」だったらしく。
右の腎臓の腎盂が、可愛らしく拡張。
腎臓の数値も、ちょっと上昇。
腎盂の拡張が、可愛らしいもへったくれもないのですが。
いつも見慣れている腎臓だけに、
誰かに説明することを必要としないうちの猫ですので、
まあ、こんな感覚。
リトルは、結石を確認したことは過去に一度もありません(今後はわかりませんが)。
猫の尿管炎ってやっぱり突然起こるんだ!?って再確認。
血液検査では、正常値をちょっと超えるくらいの腎臓の値。
BUNやリンなんて正常値。
それに敏感に反応する猫もいれば、そうじゃない子もいる。
どうも、うちのリトルさんは敏感な感じに属しているようです。
まあ最初のうちは、こちらも呑気に構えていたのですが、
闘病数日経った朝、昨日までそれなりに食べてたのに、全く食べなくなってしまいました。
治療のストレス(というかストライキ?)なのか、また別の病気なのか?
追加検査の結果は、急性膵炎の併発でした。
膵臓は、食べさせないと治らないので、しょうがないから経鼻カテーテル。
相当ご立腹な感じ(^_^;)
でもそこは、うちの猫(ちょっと親バカ))。
もちろん、入院ケージには入ってますが、
エリザベスカラーもせずに、カテーテルも点滴用の静脈留置針も気にすることはなく。
「リトル、お利口だねーーー」って、スタッフ総出で可愛がり戦術。
そして、膵炎からの回復に3~4日。
尿管炎による尿管閉塞を起こすと、
今回のリトルのように、ビミョーに腎盂が広がるケースも少なくありません。
派手にバカッと開いてくれると、腎瘻チューブ設置も楽に行える。
麻酔のリスクは当然あるものの、
そのほうが、すんなり治るんじゃないか?
って、いつも悩むそんな尿管炎。
この腎盂の状態でも腎臓の値がぐんぐん上がってくるようなら、
極細径の腎瘻チューブも考えようかなぁ???
でも、細径は圧倒的に抜けやすい。
少なくとも3~4日保ってくれれば、だいぶ炎症も取れるだろうけど・・・
いつも使ってるチューブですら、猫が暴れたりして抜けたこともあります。
猫って皮膚が大きく動く動物なので、それだけでチューブが抜けることもあるでしょう。
麻酔かけて設置して、翌日には抜けてる・・・ゲッソリしちゃいます。
飼い主は私なので、その辺の細かな説明は不要なため、楽といえば楽ですが、
自分の猫のお腹開けるのも、それはそれで・・・
それでもわざわざ、市販の極細腎瘻チューブなる物を購入し、万全の構えに。
さらには、試してみたい薬も使ってみたりして。
トライアンドエラー。
知りたい血液検査項目も惜しみなく検査して。
せっかくだから勉強、勉強。
結局、外科はやらずで。
最終的に試してみた薬が、効いた感じの手応えでしたが(こちらは次の症例で再度試してみることに)
なんだかずっと燻った感じで約2週間。
元の、本当に可愛い腎臓に戻りました。
これが、一般の患者さんなら入院2週間は結構な期間・・・
入院と通院で2週間?!
内科治療だとなんだかんだでこのくらいかかる尿管炎。
何が正解なのか?
極細腎瘻チューブを抜けるの覚悟で、早い段階で外科的にやるのがいいのか?
手応えのあった薬が効いてくれればいいのですが。
それもそう上手くはいかないかも。
一旦治っての再発ってことも、経験ある。
または、逆の腎臓も・・・とか、
術後に・・・とか。
悩ましい。
本当に、悩ましい。