手術

OPERATION

手術について

当院では、腎臓・泌尿器疾患、一部の軟部外科疾患に力を入れており、セカンドオピニオンや高度医療施設からの転院などのご相談も受け付けています。他にも一般的な手術、整形外科、腫瘍外科、避妊・去勢手術など、幅広い手術に対応しています。医療機器の充実、麻酔薬の選択や術後の疼痛管理など動物の負担をできる限り減らすように努めています。当院で行うことが困難な手術に関しては、責任を持って信頼できる専門医をご紹介いたします。

手術の流れ・注意事項

Step01術前検査

  • 手術は全身麻酔下で行うため、麻酔に耐えうる健康状態であるかを判断するために術前検査を行っております。(基本項目:血液検査・血液凝固系検査・レントゲン検査)
  • 検査項目は、動物の年齢・種類・既往歴や身体検査結果によって内容が変わることがあります。
  • 術前検査の結果によりリスクの判定を行い、手術のメリット、デメリットをご説明いたします。

Step02手術当日

  • 麻酔による嘔吐誤嚥事故を防ぐため、獣医師より指定された時間から絶食を厳守していただきます、また手術の5時間前には絶水してください。
  • お預かり後は、体重測定・体温測定・聴診・触診・視診(可視粘膜の色、CRT測定)などの検査で健康状態の再確認を行い、必要な抗生物質や痛み止めを投与します。
  • 手術前の15~30分間、集中治療用ケージ内で過ごしてもらい、全身の酸素飽和度を高めることで麻酔リスクを軽減します。

Step03麻酔導入

  • まずはじめに、その動物の状態にあった注射麻酔薬で導入します。
  • 続いて、気管挿管を行い、吸入麻酔薬を用いて麻酔状態を維持していきます。
  • 同時に生体モニターを用いて、動物の心拍数、呼吸様式、血圧、体温、呼気中及び吸気中麻酔薬濃度、肺換気量、血中酸素飽和度、終末呼気二酸化炭素分圧などを確認します。
    ※回避できない問題があれば、この時点で手術を中止します。

Step04手術・処置

  • 麻酔導入が安定してから手術が開始されます。
  • 手術中は、自発呼吸を止めることはありませんが、もし呼吸が止まった場合でも全自動人工呼吸器による呼吸管理を行います。
  • 挿管による気管の炎症ケアとして、術後はネブライジング(薬剤吸入)を行います。

Step05麻酔覚醒・退院

  • 手術終了後は速やかに麻酔状態から覚醒させます。
  • 覚醒後の出血・イレギュラーな問題が起きていないか、入院管理にて確認を行います。
  • 術後服もしくはカラーを装着して退院します。抜糸までの期間は手術部位を汚さないように細心の注意を払い当院の指示に従ってください。
  • 抜糸までの間は、通常の散歩やシャンプー、激しい運動は避けてください。

結紮糸を使わない手術の
ご提案

当院では、血管シーリングデバイスを導入しています。この様な外科機器を使用することで、手術時間の短縮と必要以上に体内に異物(結紮糸)を残さないことが可能となります。現在当院では、難易度の高い手術においては標準的に使用しています。

避妊手術における手術法の違いによるメリット・デメリット

絹糸(残る糸)を使用

結紮糸(異物)への生体反応による重度の癒着や肉芽腫形成等のリスクあり。当院でこの方法を行うことはありません。

吸収糸(溶ける糸)を使用

一般的な避妊手術で行っている方法です。
糸は、数か月で溶けてしまうため、将来的に問題が起こることはほとんどありませんが、残存している期間において異物に対する生体反応がみられ、のちに別の手術を行う際には不必要な血管処理や癒着剥離を行うケースも経験します。

血管シーリングデバイスを使用

結紮糸を使用しないので生体反応は極端に少なく、手術時間の短縮が可能です。安全に機械を挿入するため、開腹を必要とする避妊手術では切開の傷が若干大きくなりますが、大きな問題にはなりません。
血管や組織の大きさによっては使用できない場合もあります(その場合は吸収糸を使用)。
別途、特殊医療機器使用料が加算されます。

入院について

入院をすることは多くのストレスを動物に与えてしまうことになるため、できるかぎり短期間の入院を心がけています。しかし病気の場合は、回復に時間を要することもある為、細心の注意を払って動物の心身のケアを実施します。
避妊手術や去勢手術の後、ご自宅での術後管理ができない場合は、当院でお預かりすることも可能ですので、予めご相談ください。

入院室

入院室は、冷暖房を完備した清潔な動物専用個室ケージです。
また、重症患者の為に温度・湿度・酸素濃度を設定できる集中治療用ケージも用意しております。
入院中は、当院で用意した食事やタオル等を使用しますので、飼い主様にご用意していただかなくても結構ですので、ご安心ください。

面会について

面会は、基本的に午前・午後診療の最終枠にお願いいたします。また、事前のご連絡をいただけると幸いです。
面会時には担当の獣医師が病状や経過などのご説明をさせていただきます。そのほか、気になることがございましたらスタッフにお尋ねください。