健康診断って大事 猫の水腎症
毎年、冬の時期に行ってる
「猫の健康診断キャンペーン」
シニア猫たちに向けて
「慢性腎臓病を早期に発見してあげて、適切な処置をしていこう」
というコンセプトで始まりました。
過去にも、この健康診断にて飼い主さんの気になってることから病気を発見した例がありますが。
基本的に、健康診断ですから。
「健康ですね!」か「この先、少し気をつけましょうね」くらいの程度がほとんどです。
そんな、健康診断での出来事を今回はお話しします。
健康診断に現れたのは、元気も食欲もあるロシアンブルーのRちゃん。
同居の子が、腎盂腎炎になり飼い主さんも心配で連れてこられました。
「先生、この子は元気も食欲もあるから。」
「そうですね、健康診断ですから。やってみましょうか。」
そう言って、採血と採尿。
院内検査に回して、待つこと数分。
まずは、尿検査の結果が提出されてきました。
すると・・・
尿比重、1.013・・・・薄いじゃん!
「いやいや!2匹続けてはないでしょ!」って飼い主さんと笑いながら話して。
「でも、念のため腎臓のエコー見ましょうね!」
って
当てたエコーは

水腎症 (T . T)
左がバッチリ、水腎症。

右は正常なものの、萎縮した頼りない腎臓。
血液検査も確認すると。
BUN:98 Cre:9.4 SDMA:37
バッチリ腎障害
画像検査からは、尿管炎による尿管閉塞を疑う所見。
飼い主さん夫婦と顔を見合わせて・・・
「治療しましょう」
「それにしても、良く食べて普通に暮らしてますね(^_^;)」
これほど数値も高くて、普通に暮らしているのだから、正常値まで回復するのかは??
数値が高い状態に体が慣れてしまっていることも考えられます。
飼い主さんも、腎臓の治療は嫌という程理解してくださっているので、説明もそこそこに。
治療開始。
すると1週間後、数値はまだまだ高いものの腎盂は縮小。

1ヶ月経過で、数値も画像も正常に戻りました(^ ^)

あとは、治療強度を弱めてどうなるのか?経過観察。
Rちゃんも相変わらず元気
って最初の状態と見た目には変わらず・・・


いくら、泌尿器の病気が集まってくるからって・・・水腎症を偶発的に見つけるなんて。
健康診断って、大切なんですね。