老犬との暮らし 介護
最近は飼ってる環境も良くなって、与えるご飯も良くなって。
ワンちゃんも15歳、16歳。
更にはそれ以上。
平均すれば12-13年が寿命というのは今でも変わらないと思いますが、
昔と違って長生きしてくれることが本当に多くなりました。
ただ、それは病気との付き合いも少なからず始まります。
今週も16歳の子2件の腫瘍切除手術(下顎部分切除と乳腺腫瘍)が予定されており、ここ数年12歳以上の子たちの手術をする事がグッと増えてきています。
くわえて問題になってくることが、痴呆や寝たきりなどによる介護。
獣医になって20年以上。今までも多くの介護の子と飼い主さんに付き合ってきました。
昼間のうちはぐっすり眠って、夜になるとワンワン鳴き叫ぶ。
オシッコやウンチなどの排泄がうまくいかない。
部屋中徘徊して、部屋の角でバックできずじっとしてる。
抱っこしてないと落ち着かない。
などなど…
飼い主さんはどうしたら良いのか分からなくなり、相談にいらっしゃいます。
そんな時最初に伝えることは、
「介護する時、ワンちゃんの100%の希望を叶えてあげようなんて、頑張らなくて良いですよ、60%位でいいと思います(^-^)」
「それをずっとやってあげられる人ならもちろん素晴らしいことですけど、私も含めてそんなことしてたら保ちませんから」
「介護してる飼い主さんが倒れたら、みんなが不幸せになっちゃいますからね」
経験的にも飼い主さんたちは、もの凄く頑張ってしまいます。
「こうしたらダメなんじゃないか」
「こんな事するのはこの子の為に可哀想なんじゃないか」って…
長年連れ添った大事なワンちゃんに対してそのように思うことはごく当たり前で、正しい事だと思います。
が、我々も人間。厳しい長い日々が続くと、ふっと魔が差して「終わってくれないかな」と思ってしまう事も事実。とても悲しいことです。
必要のない辛い思いは極力無くしてあげたいですし、なんとか、少しでも楽しい介護生活をおくってもらう為に、一緒になって考えます。
そんな老犬との生活。
先日、ご自身も20歳までワンちゃんを育てた経験を持つ当院の飼い主さんが、編集執筆を行った本が出版され、プレゼントしていただきました。
ちなみに、私が直接飼い主さんと話したことや病院エントラスの写真など。ちょっぴり掲載していただいてます。
待合室に置いておきますので、ご興味があればご覧下さい。
病院も16年目、開院当初仔犬だった子たちもだいぶ天国に旅立ち寂しくなった傍ら、新しい仔犬達も来てくれて。ウチにも2代目の子が来て。
病気のことは勿論、「犬との暮らし」をサポートしていく日々が続きます。
色々な悩み、獣医師や病院スタッフに気軽に相談してください。ご紹介した本などにもヒントがあるかもしれません。
犬に限らず、「動物との暮らし」楽しみましょう!!