腎臓・泌尿器
猫 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん) PKD
猫の多発性のう胞腎という病気があります。
ペルシャネコ(もしくはその血縁種、ヒマラヤンなど)にみられる病気として有名だったのですが、最近ではスコティッシュフォールドやアメリカンショートヘアといった純血種の猫にもみられます。(雑種の猫にもあるようです)
遺伝的な要素が認められており、病気が見つかった猫は繁殖させることはできません。
この病気、腎臓内にのう胞(液体のたまった袋)がたくさん形成され、通常は左右両方の腎臓に変化が見られます。
のう胞が増えたり大きくなっていくことで腎臓を圧迫し、次第に腎不全の症状があらわれていきます。
(当院で診断した3歳の子のエコー像です。)
かなり若い年齢で腎臓の変化は見えてくるのですが、のう胞形成があるからといって必ず症状があるとも限らず、そのつもりで早い段階からエコー検査を行わない限り、症状が出るまで見過ごされることもあるかもしれません。
確固たる根拠のある治療法はいまだないため、症状が出てくれば慢性腎不全に対する治療をして少しでも長く生きられるようにしてあげるしか方法がありません。
症状は早ければ3~4歳くらいから出てくるようで、平均7歳くらいが寿命といわれている悲しい病気です。
たまたま検査などで見つかってしまう場合は別として、
病気を知った上で付き合っていくか、症状が出た段階で知るか、考え方はそれぞれ。
どちらも正解だと思います。
現在は遺伝子検査もできるようになっているので、かなり早い段階で診断は可能です。
人でも同様の病気があり難病とされています。
今後、治療法が見つかることを願っています。