レッグペルテス 骨頭切除術
レッグペルテス病。
聞きなれない病名かもしれませんが、昔からある病気です。
大腿骨の骨頭部分(骨盤との関節部分)が、虚血壊死を起こしてしまいます。(原因は不明です)
通常、1歳以下の小型犬で発症し、痛みのため破行が見られます。
7ヶ月になるトイプードルのRちゃん。
2週間前から右後足を痛がっているようで、病院に来た時はつま先だけちょんとつく程度になっていました。
触診してみると、明らかに痛い右足のほうが左足に比べて筋肉の量が低下しています。
さらに、右足の股関節は伸ばすことができませんでした。
年齢、犬種(トイプードルは好発犬種です)、触診の状況からレッグペルテスを疑います。
そこで確認のためレントゲン撮影をすると・・・
右の大腿骨の骨頭部分がやはりおかしい、一部ひび(病的骨折)も入っていました。

この病気、内科治療では進行を遅らせる程度しか治せません。
基本的には、悪い大腿骨の骨頭部分を切除する手術(大腿骨頭切除術)を行うようになります。1歳にもならない子に、大きな手術は少し可哀そうですが、痛みをとってあげるにはこの方法しかありません。
それじゃあ、股関節はどうなるの??後ろ足ぷらぷらになっちゃわないの??
などと疑問がわくかもしれませんが、そこはご安心。「偽関節」という状態になり関節の周りを組織が覆ってくれます。若干可動域は狭まりますが、ぷらぷらになることはありません。
飼い主さんにも同意していただき、早速手術です。
筋肉をなるべく傷つけないようにしないと術後の回復に違いが出ますので、そこは慎重に・・・
時間もそれほどかからず手術は無事終了、数日間は入院して少しずつリハビリをしていきます。
最初は痛いイメージも残っていたので、すぐに回復とはいきませんでしたが、日ごとに着地させ使うようになり、飼い主さんも一安心。
落ちた筋肉が回復してくるには、まだまだ時間がかかると思いますが、ずっと続いていた痛みにも開放されたようで、病院の前を元気に歩いています。