腎臓・泌尿器
犬の尿漏れ 尿膣
犬の尿漏れといっても、原因はさまざま。
いわゆる締りが悪い、先天的な尿路の奇形によるもの、神経的な問題、腫瘍によるもの・・・・etc
そんな、さまざまな尿漏れを訴えて来院する犬達を、大学病院の腎泌尿器科に所属しているため、たくさん診させてもらう機会に巡り合います。
大学病院ほどではないですが、当院にももちろん来院されるわけで・・・
そんななか、少し変わった症例が・・・
メスのT.プードルのLちゃん、生後7か月頃から、時々寝ている場所が濡れている。
(この時点で飼い主さんは、しつけの問題と認識しておられたようです。)
しかし、時が経っても一向に治らない・・・この子は、可愛いんだけどおしっこがねぇ・・・と飼い主さん。
よく聞いてみると、寝ている場所が濡れている以外にも、
散歩でジャーっとおしっこをするのに、その後歩きながらポタポタと垂れる。
体位を変えたときにふいに出てくる(Lちゃんもこれにはびっくりするようで・・・)
それって、完全に漏れてます、おしっこ
検査を行い、原因を探ります。
あれもない、これもない、消去法です。すると、こんな疑いが生まれました。
尿膣+外陰部が小さい(外陰部低形成)
この病気、尿漏れ(厳密に言うと偽尿失禁ですが)の他に膀胱炎もよく起こします。
治療は、膣自体はいじれないので、手術をして外陰部を少し大きくしてあげます。(外陰部形成術)
退院してすぐに飼い主さんからお電話が、
「先生!音たてておしっこしてるよ!!全然漏れてない」
大成功です!!