犬の尿管結石 水腎症 治療
尿管結石。。。
幸い私は経験がありませんが、先輩獣医師の先生が痛さに苦しんでいる話を聞いたことがあります。
この病気犬・猫にも起こります。
結石といえば、そうです、あの忌々しいカルシウム結石です。
(詳しくは以前のブログをお読みください)
ほんの小さな結石が腎臓からコロコロと落ちてきて、細ーい尿管に閉塞します。
詰まってしまうと当然尿の流れが悪くなるので、腎臓に負担が一気にかかってきます。
すると、次に起こるのが水腎症(+水尿管症)。
腎臓内部の腎盂という部分が、尿が流れ出ないことで膨らんでしまいます。
この水腎症、長いことほおっておくと腎機能の回復が期待できなくなってしまいます。
そんな尿管結石のパピヨンの男の子の1例を紹介します。
突然元気食欲がなくなってしまったとのことで、診察させていただくと。
腎臓の数値がやや上昇し、左の腎臓に水腎症が見られました。
エコーやレントゲン、尿路の造影検査により、尿管結石による尿管閉塞であることが判明しました。

実はこの子数年前からのレントゲン検査で、左右腎臓内に細かな結石があることが分かっていました。(内科治療では消えないあいつが・・・)
そいつがコロコロと・・・2つ3つ
しかも、膀胱に入るほんの手前でつまったのです!!
どうせならもうひと転がりしてくれれば
外科的に対処するなら、結石の大きさや場所からして尿管転植術(詰まっている部分の尿管を切除して、尿管を膀胱につなぎなおします)が適応ですが、とりあえず経過も短かったことから薬で流れるかどうか2-3日試すことに。
幸いに翌日には薬の効果が出て流れ始め、1週間ですっかり元の腎臓の姿に。
悪さしていた結石の姿もなく。(おしっことともに流れたと思います)
一安心。
今後は投薬を続け、定期的な検査です。
血液検査だけではただの腎不全かなと思っていると、このような結石が悪さしていることもあります。
腎不全は必ず画像診断が必要かと思います・・・