犬と猫の関節炎バイオマーカー検査
以前から、勉強会を行っていただいている整形外科専門医からは仕入れていた情報ですが、
この度ついに、外注検査が可能となりました。
それは、CⅡNE(C2NE)
尿中のCⅡNEを計測することで、関節炎の有無が客観的な数値でわかるようになります。
バイオマーカーというやつです。
要するに、飼い主さんは気がついていない動物たちの関節の痛み。
「うちの犬も年とって、ヨタヨタしてる」とか
「うちの猫も出窓に飛び乗らなくなった、年かしら」とか
それ、痛みをとってあげるともう少し快適に暮らせるかもしれません。
しかも、以前のブログにも書いたように
https://okubo-vet.com/2023/03/06/1112
痛み止めとして使える新しい薬も販売されています。
高齢の動物、特に猫では、慢性腎臓病を持っている子が多く存在します。(もちろん犬にもあります)
一般的によく使われている消炎鎮痛(NSAIDs)は、腎障害の副作用があるために、
そのような高齢の動物では使用することができませんでした。
しかし、先日販売された注射薬の「ソレンシア」猫用「リブレラ」犬用は、そのような副作用のリスクがありません。
もちろん、薬ですので個体差による副反応(副作用)の発症はあると考えますが、基本的にはごく稀です。
実際に、うちでずっと管理してきていたスコテッシュの症例。
片腎(腎臓摘出により)で後半は腎臓も心臓も悪かったスコ。
薬が発売された時に、飼い主さんが希望されて使用しました。
結果は、副作用もなくバッチリ!
動きが格段に良くなり、飼い主さんもその効果に驚いていました。
現在、2歳のスコ。
こちらは、骨瘤形成という骨の病気。
「ザ スコテッシュ」の子には、比較的有名な病気。
痛みをとってあげるしか治療法もないような病気ですが、「ソレンシア」の効果は抜群!
死ぬことはないけど、ずっと痛みと付き合っていかないといけないこのような病気には、いいと思います。
スコテッシュフォールドのような特殊な種類の猫にはもちろん。
単純に加齢とともに起きてくる「痛み」にも。
冬季に行なっている、猫の健康診断キャンペーンの時も採尿しますので、
関節炎のチェックも同時に検査可能です。
バイオマーカーが高値なら、その後レントゲンでのチェックも行います。
言葉を発しない動物たちの日常的な痛みを見つけて、しかも改善させたあげられる時代になりました。