オス犬の膀胱結石 おしっこが出ない 手術(会陰尿道造瘻術)
犬の膀胱結石・・・
特にシュウ酸カルシウムはとても厄介です。
食事や内服によって溶かすことが出来ないために再発リスクが非常に高いです。
メス犬の場合は尿道が太くて短いので、ある程度の大きさの結石であればおしっこと一緒に排泄されます。
しかし、オス犬の場合はそうはいきません。
詰まります、完全に出なくなることはまれですが、排尿困難を招きます。
今回は、そんなカルシウム結石に悩まされているMちゃんのお話です。
ある日、膀胱炎症状を訴えたため検査をしてみると膀胱内に結石が確認されました。
手術により結石の摘出を行い。
結石分析検査。
「シュウ酸カルシウム」
レントゲンの段階でそれっぽいと思っていましたが、やっぱり。
飼い主さんとは結石再発の話をして、定期的な膀胱洗浄により予防に努めていました。
約半年・・・経過は良好でしたが・・・・
「先生、この頃おしっこが出づらくなっているんだけど」
「いきんでもでない時もあるんだよね、またかな?!」
嫌な予感がします。
レントゲン検査を行うと・・・見事に膀胱内に結石が!!
結石はやはり摘出しないとダメです。
しかし、再発の可能性はあります。
そこで、飼い主さんとも何度か相談させていただき、膀胱結石の摘出とあわせて追加手術を決定しました。
「会陰部尿道瘻造瘻術/えいんぶにょうどうろうぞうろうじゅつ」
(過去のブログもご覧下さいhttps://okubo-vet.com/2012/06/28/1622/)
肛門の下(会陰部)に新たな尿道の開口部を作る手術です。
この手術することでより太い尿道が確保でき、結石の排泄にも効果的(詰まる可能性も低下)。
更には、今までよりも太いカテーテルが挿入できるので、膀胱洗浄(結石回収)にも効果があります。
少々問題は起きましたが、術後の経過は良好
おしっこもちゃんと出て、太いカテーテルもばっちり!
やらずに済むならやらない方が良い手術ですが、諸々の条件では選択肢の一つです。
結石の種類や年齢など考慮して考えなければいけません。