猫の尿管結石による尿管閉塞 水腎症 手術
今回の症例は、日頃大変お世話になっている先生からの依頼でした。
6歳の猫ちゃん
以前から左の腎臓の機能はいまいち
血液検査でも腎臓の数値は正常値ギリギリくらいの状態でした。
くわえて、右の腎臓内には数ミリの結石が存在していました。
右の腎臓結石は動くこともなく時は過ぎていたのですが・・・
「猫の尿管結石なんだけど、切れない?」
突然お電話いただきました。
今までの経過と現在の状況を伺うと、
右の腎臓内にあった結石がコロコロと流れていき、尿管でガッチリ詰まっていました。
写真:横向きのレントゲンなのでわかりづらいですが、右尿管に閉塞しています。
当然、閉塞による急性腎不全が起きており、猶予は全くない状態でした。
「任せていただけるなら、全力でやらせていただきます。」と返事をし。
とりあえずは先方の先生と飼い主さんとでお話していただくことに。
翌日はちょうど日曜日、午後からは病院の外来も休みですので
あれやこれや支度して、車ですっ飛んでいき手術開始です。
思い切り腎不全になっている症例ですので、
いつものことながら時間はそれほどかけられません。
閉塞している部分の尿管を慎重に剥離して切開。
結構なサイズの結石がとれました!!「こいつが悪の元凶」
今回悪さしていたのは結石1個
閉塞している部分よりも膀胱側の尿管の疎通を確認、切開した尿管を縫合して無事終了。
麻酔の覚醒も良好、あとは腎機能が改善してくれることを祈るのみ。
翌日朝、早速お電話をいただき
「おしっこもちゃんと出てるし、昨日よりもだいぶ数字も下がったぞ」
電話越しに先方の先生とホッと・・・・「よかったぁ」
術後3日目には食欲もあり、以前の状態に戻ったという報告でした!
今後の経過では更なる処置(手術)が必要かもしれませんがとりあえず一安心。
石が詰まる・・・・本当に厄介です。