オス猫の膀胱結石 尿道閉塞 会陰尿道瘻(えいんにょうどうろう)の手術
猫の膀胱結石といえば、ストラバイト(マグネシウムが主成分の結石をそう呼びます)と昔から相場は決まっており、
オス猫の細い尿道に砂粒状の結石が詰まってしまい、おしっこが出なくなるという厄介な病気があります。
いまどきの猫のご飯は処方食から一般食に至るまで、
ストラバイト結石を出来にくくするためにさまざまな工夫がなされています。が・・・
そうは言ってもやはり出来てしまう結石。。。
オス猫の尿道はS字状に曲がって走行し、出口に向かうほど細くなっているため
出来てしまうとやっぱり詰まってしまいます。
尿道に詰まってしまい尿が外に出せない状態になってしまうと、一気に腎臓に負担がかかってきます。
もちろん命にかかわります。
そんな時は、尿道にカテーテルを挿入し何とか開通させないといけないので緊急の処置となることが多いのです。
詰まったものを開通させ、その後処方食を食べてくれれば、ほとんどの子が結石もコントロールできて快適な生活を送ってくれるのですが、中にはそうはいかない子ももちろんいるわけで。。。
1.処方食を全然食べてくれない。
2.処方食は食べているけれども、結石がコントロールできない
(この場合はカルシウム結石もでているのかもしれません?!)
こんな子たちは、再度詰まってしまうリスクがとても高いので、外科的な手術をお勧めしています。
この手術を行うことで、太くてまっすぐな尿道が確保できます(メス猫のようにしてあげます)。
メス猫の尿道閉塞が珍しいのと一緒で、砂粒状の結石は詰まってしまうことはなく尿と一緒に排泄されます。
今回手術した子も、これまで2度ほど尿道閉塞を起こし処方食に切り替えて様子を見ていましたが結石がなくならない
このままでは、またいつ詰まるかわかりません。
そのため、今後の予防的な処置として外科手術を提案させていただきました。
飼い主さんも状況を理解していただき、早速手術。。。。
実はこの手術、古くからいろいろな術式があるのですが、
今回は現在の師匠W先生が考案された最新バージョンの術式で行いました。
この術式のメリットとしては、猫自身が陰部を舐めてしまうことでの
尿道出口の狭窄(狭くなり閉じてしまうこと)を防ぐことができます。
※手術直後の外貌です(尿道にカテーテルが挿入されています)
術後は数日間カテーテルを入れっぱなしにして、尿道粘膜などがちゃんとくっついてくれるのを待ちます。
その後は、自力での排尿を確認して退院。
今後は、猫ちゃんも、飼い主さんも「詰まるかな?どうかな?」といった心配ごとからは解放されると思います。
たびたび詰まってしまう、結石がなくならない。
こんな症状でお困りの方、お気軽にご相談ください。