今年も始まったようです 犬の膀胱結石
「あけましておめでとうございます」から数週間。
今年の1月はなんとなく暇、
言い換えれば
「平和!だね」
なんてスタッフとも話していると。
やっぱり、来る結石。
新年1発目は、近所の先生からの紹介。
膀胱の中には大小合わせると100個以上の結石があり。
取り残し無くしっかりと摘出。
そんな子に対応している最中、やってきたのは以前から診ているLちゃん。
うちの病院ではかれこれ1年前からのお付き合い。
初診の時は、まだ4歳。
前の病院で膀胱結石の摘出を行ったのですが
すぐに再発。
「どうしたらいいでしょう?」って、来院。
診はじめた段階で、すでに膀胱には結石があり、見た目からも絶対にカルシウム。
摘出してもいいのですが、履歴からも再発は免れないと予想。
血尿なども時々見られ、Lちゃんも困っているといえばそうですが、何度も膀胱切るわけにもいきません。
次に尿道閉塞など、何か起こったら・・・
切りますか?!
って、飼い主さんとも悶々とした日々を過ごしていましたが、
このところで、血尿が酷いとのこと。
早速、エコーで膀胱内を観察すると。
以前はなかった、ポリープ様の隆起が数カ所。
(赤 矢印)
結石の量も増加
(下の白い部分、全部結石)
「出血はこれだね」
「結石も急に増えましたね(>_<)」
ここにきて状況は一変しました。
仕方がないので、手術対応で進めます。
年齢も若いので、腫瘍である可能性は極めて低いですが、念のため細胞診と特殊な外注検査で精査。
腫瘍の可能性があれば、切る範囲も変わっていきます。
さらには、以前の経験から炎症性ポリープ疑いであっても、一部が癌化していたこともあったため。
診断と対応は慎重に。
今回は結石摘出も兼ねて、組織検査も実施することで意見がまとまりました。
で、早速手術。
金平糖の様なカルシウム結石は、摘出してる最中に崩れるので少し厄介。
Lちゃんの場合、気管虚脱(気管の一部が軟化して狭くなってしまいます)もあったため、
覚醒時の吸気困難にもしっかりと対応できるセッティング、
できればそれが起こらない様に術前から準備。
そして、無事に終了。
いつも、おとなしく検査を受けてくれるLちゃん。
頑張ったね!
術後にあげた「ちゅーる」は「こんなの食べ物じゃありません」ってな感じで拒否(^^;;
それでも
翌日朝には、しっかりと排尿して。
褒めてあげたら、スリスリ!!喜んで、仲直りできたみたいです。
ドライもちゅーるもしっかりと完食(^。^)。
再発はするのでしょうが、年齢からすると先はまだまだ長いので、その時にまた考えましょう。
って無事に退院させるその日には、また違う子が・・・
「先生、おしっこの最後に血尿が出たんです」って
最後尿の血尿・・・
来院してもらい、すぐに検査。
まあ、綺麗な?結石が1個。
そろそろ心臓の定期チェックもしないとね、なんて言ってる矢先に結石(T ^ T)
これもきっとカルシウム。
2日後には、猫の尿管結石摘出も待ってます。
今年も頑張りまーす。
追伸
患者さんが、ニコルのためにコートを作ってくれました♪
しかも3着!!
早速おめかしして散歩
心なしか、いつもよりも小走り(^^)
みなさんには、いつもお心遣いいただきありがとうございます。