ダックスの椎間板ヘルニア 手術
昔と比べて、ダックスが減ったからなのか?
椎間板ヘルニアの手術をすることが減った気がします。
多いときは年に数頭行っていたのですが、最近はご無沙汰。
犬種によって出る病気も違ってきますので、全てに対応していくのは本当に大変です。
そんな中、いつも元気に来院しているRちゃん。
突然、後ろ足がおぼつかなくなり、立ってるのもやっと。
神経学的検査からも、椎間板ヘルニアが疑われました。
クレード分類では、G3。
まずは、入院してもらい薬を点滴、24時間の改善を診てみます。
鳴くことも無く、お利口さんに治療を受けていたRちゃん。
さて、薬の効果の程は??
「いまいち」です。
こうなると、飼い主さんと相談。
MRIを撮影してきてもらい、ちゃんとした診断をします。
本当に椎間板ヘルニアか?椎間板ヘルニアならどこでどのくらい圧迫があるか?
結果は・・・
見事に胸椎の12番と13番の椎間に重度の圧迫がみられました。
画像で見る限り、それは本当に重度の圧迫で、症状の軽さにびっくりしてしまうほど。
実際、MRI撮影日には、結構しっかり立って不安定さも無くなっていました。
「結構治ってきてるなぁ」「手術どうしようかなぁ」
翌日は、ちょうど脳神経科の先生の講義でしたので、その先生にも画像をみてもらい相談。
「重度の圧迫はあるんですけど、症状が軽すぎて・・・」
経験的にも手術をすると一時的に症状は悪くなるでしょうし、
このケースでは、よくなってきても症状はしばらくの間同じくらいかもしれません。
やった結果と、やらなかった結果にあまり差が感じれないかもしれないので、
飼い主さんの理解が相当あってくれないと
私としても手術の提供が難しいんです。
「先生の気持ちわかります、獣医学的にはやった方がいいけど、微妙ですよね・・・少し様子みますか!?」
「ですよね、やっぱり先生もそうですか。」
なんてやり取りをして、悶々としながら帰宅。
翌日、再度腹を割った話を飼い主さんとして、家での様子をみてもらうために一時退院(ケージレストは継続です)
週末みてもらい、ご夫婦で相談してもらうことにしました。
そして、再診。
「先生やっぱり、左後肢に麻痺が残ってるみたいです、手術してください」と飼い主さん。
診察してみると、退院時よりも若干麻痺が悪化。
「わかりました、やりましょう!!」
早速手術です、以前のブログにも書いたように脊髄神経の周りの脊椎(骨)に穴を開けます。
慎重に・・・すると、MRIでみてたとうり、椎間板物質が脊髄神経を覆うようにくっついてました。
その椎間板物質を取り除いて無事終了。
そして肝心の術後のRちゃんですが、みるみるうちに改善、ホッとしました。(飼い主さんよりホッとしてるかも)
元気な姿で、尻尾もブンブン降っての帰宅となりました
こういう外科って、やってても気持ちがいいです。