犬 膝蓋骨内方脱臼 手術 前編
膝蓋骨内方脱臼・・・膝のお皿が通常あるはずの位置から脱臼し、足の内側にずれてしまう病気です。
脱臼の程度はさまざまで、
脱臼したり戻ったりを繰り返すグレード2(G2)
ずっと脱臼しっぱなしのグレード3(G3)
加えて重度の骨変形を伴うグレード4(G4)
ざっとこのような感じで分類されます。
小型犬には非常に多い病気ですが柴犬などでも遭遇します、実際にはそのような子たちも歩けないわけではないので飼い主さんは気がつかないこともあるようです。
ただ残念なことに悪くはなっても良くなることはなかなかありませんので、治すには外科的な手術が必要となってきます。
たびたび痛みを伴ったり、違和感から足をつかなくなったりするようなら、グレード2の状態でも思い切って手術してもいいかもしれません(ただし中型犬は別で、G2でも手術対象となります)。
ずっと脱臼しっぱなしのグレード3の場合、飼い主さんも気がつかない慢性痛は別として、激しい痛みは別の病気が併発しないと見られないような気がしますが、基本的には大腿骨(ももの骨)-膝蓋骨(膝のお皿)-脛骨(すねの骨)の整合性がとれていない
(一直線ではなく、多くは脛骨が内側に旋回しています)ため、ほっておくとももの筋肉は変なふうに委縮し、関節炎、半月板や十字靱帯の損傷、さらに進行すれば足が伸ばせなくなり中腰姿勢で歩行するようになることもあります。
もちろん進行してからでは治すのもとんでもなく困難になっていきますから、なるべく早いうちに外科的な治療を受けてもらうということになってきます。
ただし、手術をしたからといって100%健常な足になるわけではありませんし、中には再発するケースもあります。
手術に関しては、その子の年齢や生活環境なども考えて決断されるのが良いと思いますので、お気軽にご相談ください。
実際の症例は、後日。後編にてご紹介します。