犬の脂漏症 シャンプー
脂漏症という慢性的な皮膚炎を伴う病気があります。
人の脂漏症とは少し違って、角化異常が特徴で皮膚の異常な脂っぽさなどが見られます。
そこに細菌やマラセチアなどの感染もおこり、なんだかいつも痒いといったことになります。
シーズー、ビーグルといった犬種に多かったのですが、
最近では(当院では)トイプードルやポメラニアン、M.ダックスといった犬種でも見ることがあります。
昔から遭遇する皮膚のトラブルで、付き合っていかなくてはいけない病気です。
困ったことに薬では治りません。
そこで、登場するのがシャンプー療法。
古くから、各社いろいろな脂漏症対策のシャンプーが発売されてきました。
当然私もいろいろと患者さんと一緒に試してみましたが、軽度なものはともかく重度の脂漏症に悩む子には正直いまいちでした。
そんな中、ここ数年とてもいい製品ができ、皮膚科の資料や学術誌などを読んでも
「なるほど、これは良さそう」と思えるシャンプーに出会いました。
ただし、正直意外と手間がかかるんです。
なので患者さん自身で行っていくにはかなり根気が要るためなかなか長続きしません。
これではいいシャンプーも意味がありません。
なんとか、病院で預かってシャンプーできないものかと準備を進めて、やっと昨年から重症の患者さんのみですが少しずつ受け入れを開始しました。
そんな成果をすこしご覧ください。
M.ダックスのCちゃん、小さなころからずっと脂漏症と付き合ってきました。
週に1回シャンプーを始めること、5か月。見違えるようにきれいになってきました
写真では少し見にくいかもしれませんが、顔の毛はかなり生えています。
痒みは全くなしとはいきませんが、以前よりは良いようです。
脂漏症は、クレンジング→シャンプー→保湿。
これからも続けてシャンプーをしなくてはいけませんが、Cちゃん一緒にがんばろう