重症熱性血小板減少症候群(SFTS) 猫から人へ
数年前、マダニからヒトへ感染する、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)というウイルス性の病気が新たに発見されました。
主に西日本で感染が認められ、残念なことになくなってしまう方も報告されています。
ダニの媒介により感染する病気は他にもあり、
草むらに入るときは刺されないよう厳重に素肌をカバーして気をつけることで予防対策がなされてきました。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の概要は、リンクしておきます。
国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html)
厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html)
上記のリンクにも記載がある通り、SFTSは流行地域において猫や犬でも感染発症している症例の報告があります。
が、その飼い主や診察した獣医師への感染は認められませんでした。(ヒトからヒトへの感染は報告があります)
そんな中、昨夜、我々獣医師にとってかなりショッキングな事案が飛び交いました。
ーマダニ感染症、猫から感染 女性死亡 「ネコからヒト」初確認ー
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H7H_U7A720C1CR8000/
私の住んでいる神奈川県では、幸いウイルスを持ったマダニや感染した野生動物は確認されていませんが。
https://n-d-f.com/nomi_madani/sfts
流行地域で診察を行なっている獣医師の先生方は、かなり深刻ではないでしょうか。
今までも獣医療に従事していれば感染症のリスクは当然あったものの、
正直それほど考えてはいませんでしたが、
今日からは、より真剣に考えなくてはいけなくなりました。
近年、大きなムーブメントとなっている殺処分「0」、犬や猫の里親探し、野良猫の保護活動など。
私も個人的に活動に協力している方々がいます。
そのような活動をしておられる方々も注意が必要です。
動物が移動すれば、このような病気も移動します。
猫は室内で飼うこと、犬はノミダニを含む予防をきちんと行うこと。
飼い主さん自身を守ることにもなりますし、
飼い主さんの意識の高さが我々獣医師を守ってもらうことにもつながります。
この仕事は、お互いの信頼関係のもとで成り立っています。
良い関係が築けると、良い仕事につながります。
最近テレビのニュースでは、「獣医師」というワードを聞かない日はありませんが・・・
もう少し本質を語ってもらいたいものです。
将来、「ダニ予防していない犬猫は診ることができません」なんて日が来るかもしれません。
今一度、動物を飼うことってどういうことか・・・考えてみてはいかがでしょうか。