研修医生活
たまには、日々の話も・・・
現在、麻布大学附属動物病院の腎泌尿器科に所属し、専科研修医として診察・検査・手術助手を行い、週に1回勉強させてもらっています。
私の所属している腎泌尿器科、当然のことながら腎泌尿器の内科・外科を主に担当しています。
腎不全や腎炎、その他まれな腎臓の病気の内科的なコントロール。
再発を繰り返す膀胱炎の精査・治療。
尿漏れや(漏れるならまだしも)自力排尿ができない子たちに対する内科・外科治療。
膀胱結石・腎結石はもちろん尿管結石の手術。
膀胱・尿道・前立腺の腫瘍に伴う内科・外科治療(膀胱全摘出や尿路変更術など)
このほかにもまだまだ書ききれないほどあるのですが・・・
なぜか腎泌尿器以外の病気も受けています。
現在の師匠、麻布大学附属動物病院腎泌尿器科のW先生。
腎泌尿器の世界ではもちろん獣医界で超有名な先生ですが、
大きなくくりで分ければ、要するに外科の先生です。
しかも守備範囲が広く、現在は頭(脳)と心臓以外すべてこなしています。
会陰ヘルニアの手術(先生が独自に考案した方法があります)。
お腹の中のことはすべて(各腫瘍や胆のう疾患、胃や腸管の外科)、
さらには整形外科(骨折や膝などの関節の外科)、脊椎の外科(椎間板ヘルニアなど)
心臓はいじらないですが、もちろん開胸手術(肺摘出など)も行います。
そして内視鏡まで(消化器、泌尿器)
しかもこれらほぼすべての症例を初診から一貫して受け持ちます。
外科が必要なら手術、そうでなければ内科治療といった具合で・・・
実はこのような先生、大学病院などの二次施設にはなかなかいません。
したがって、腎泌尿器の病気はもちろんのこと、自分の病院だけでは数例しか経験できない病気の診断方法とその治療法、W先生につくことで短期間で何年分もまとめて経験することができます
(しかも見学ではなく、実践で)
今まで教科書でしか見たことがなかった外科手術や検査方法は、正直「??」だらけで到底自分でやるなんて不可能ですが、このような経験によりモヤモヤしたものは晴れ自信を持って飼い主さんに提供できます。(もちろん経験のある先生のサポートもありながら)
ブログに書いてある症例はもちろんごく一部です。書かれている症例以外でも皆さんに知っていただきたい病気やその治療法などがたくさんありますが、病気の子(例えば、腫瘍などで根治が望めないの症例や重度の神経疾患の症例など)と飼い主さんの思いを考えるとなかなか書けるものばかりではありません。
1例でも多く助けられるように、仮に治せはしなくとも少しでも良い生活を送れるように。
これからも日々勉強です。
4月から研修医生活も4年目、休みはなかなかありませんが「若いうちの苦労は買ってでもしろ」なんて言われたことがあるような・・・気がします。
最近では、勉強会などでお付き合いのある先生方からも腎泌尿器の診断や治療について質問される機会が多くなってきました。
多くの犬猫と皆さんのお役にたつために、もう少し続けてみようと思います。
疑問をお持ちの病気や治療法、お気軽にお聞きください。